戦後くらいまでに書かれた純文学などを読んでいると,
自分自身の文章能力と照らし合わせて,
このようには書けないと感じることがあります。
先日,この違いがどのようなライフスタイルの変化に起因するのかを考えてみたのですが,
言葉よりも率直に伝えることの出来るツールが増えたためではないかと思います。
それは,写真であり,音楽でありです。
五感を使って認識する様々な外界の物事を,
言葉を介さずに直接見せたり,聴かせたり出来るようになりました。
個々最近,スマホが普及して,
そのようなことはより簡単にできるようになりましたから,
言語を介した表現力はこれからより一層衰退していくかもしれません。
だって,心に残るような写真を見つけたら。
「すごくない」といって見せれば事足りるのですから。
スティーブン・キングは,
「ことばというものは、ものごとの重要性を減少させてしまう」と言いました。
これはその通りです。
やはり,五感に訴えかけるものは,
それを直接提示できるのならば,それに勝るものはありません。
けれども,やはり,ことばの情報量や描写力というのは大変優れていると思います。
ことばは,五感以上にその人の文化背景を反映します。
何気なく使っている言葉の中には,暗に隠されている文脈がたくさんあります。
そういったものをたくさん含んでいるから,
最終的には,写真一枚よりもその光景をつぶさにあらわしたことばの方がより一層,
情報を持っていると思います。
ことばは,異なる思考や文化背景を持っている人同士が,
意思疎通を図るための唯一の手段だと思います。
様々なツールは私たちのグローバル化を助けてくれるけれど,
結局細部の詰めは必ずことばに行き着きます。
そして,そのことばは必ずしも共通の言語である必要はないのではないかと思います,
一番には自由に使える言語があるということです。
(10分)
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