私は生粋のテレビっ子である。とくに中学生以降くらいからは,深夜にやっているくだらない番組が好きであった。
大学の時分には,10分30分でも早く寝れば良いのに,ついつい番組を見ては,乾いた笑いをするのであった。そういう時,おそらく私の脳の能動的な部分は完全に,受動的な部分もほとんど機能を停止していて,受けるというよりも素通しして胸に引っかかるところだけを濾すように視聴する。今ではめっきりテレビを見る機会も無くなってしまったけれども,知性の無い視聴が私には妙に心地よかった。
そういう経験をしてきたので,テレビを見ないという人が居れば,その理由はコンテンツが面白くないからであろうと私は推測する。
だけれども,今日高校生と話していると,驚くべき理由でテレビが嫌いといったものだから,
1) ずいぶんとませているな,
2) ネットの力なのかなと感じた。
ませている
私と話した高校生がテレビが嫌いな理由は,テレビは一部の情報だけを,まさに針小棒大に語るからだというのだ。鼻水をたらしていた(いや,拭いていたけど)私の高校時代とは大違いである。
「最近だと,NHKの会長の籾井氏の発言なんかは良い例です。」と続く例で,更に驚いた。いろいろ例がある中で,そのチョイスである。
私の高校生のときにも,やっぱり靖国問題や慰安婦の件は問題になっていたけれども,当時「憲法を変えて戦争へ行こう という世の中にしないための18人の発言」をバイブルとしていた私としては,何故,近隣諸国を触発するようなことをするのかというような考えであった。
今回の発言については,論旨は分かるが,当人のポストや発言が行われた場,使われた言葉の曖昧さなど,不用意過ぎたといえるだろう。
だが,普段からそこまでこの件について注視していない一般人からしたら,不用意なことを言うやつもなかなかだけど,わざわざ関係ないこと聞くやつもなかなかだね。最初から足下掬う気の悪意ある質問だったんじゃないのと勘ぐってしまう。
ネットの力
これまで,ある記事が出たらそれを信じるしか無かったけれども,今は容易に会見の場などの一次情報をたどることが出来るようになった。
しかし,かくいう高校生が一次ソースまで遡って,ませたことを言っていたかといえばそうではないのではと思う。おそらくそこには,新聞やテレビでない別のメディアがあったのではないか。
私の頭に浮かんだのは,2chやそこからの情報を引用したまとめサイトであった。絶対見ているよ,あの高校生は。だってそうじゃなかったらあんな話題わざわざ出さないもの。
私は深夜番組を見るが如く,それらをよく見る。関心を集めている多くのサイトは,所謂右寄りの意見をまとめたものが多いと感じている。
20歳以上くらいになれば,pcを持つ割合も増えるだろうし,自由にインターネットへつなぐことが出来る環境も増えて,そういうサイトを見る人も増えるだろうなと予想はしていたけど,高校生までああいうのを見るとは予想外だった。スマホを持つ人が増えたせいだね。
件の高校生が,2ch系サイトを見ているかは定かではないけど,おそらくネット経由でいろいろな情報を見聞したことは間違いないと思う。多かれ少なかれ,たくさんのソースから情報を得て見解を構築する機会が増えるのは良いことだと思う。けれども,あらゆる1次でないソースは,何らかのバイアスを含んでいるだろうから,一部の情報...の理由では,どれかを嫌うというのもまた同じ道を辿ることとなっちゃうよね。
戦争に行かない為に憲法を変えるというのは,あんまり議論されないね。