里山資本主義
3月頃から借りたまま,ゆっくりと読み進めていた,
『里山資本主義 日本経済は「安心の原理」で動く』
を読み終えた。
著者の言う里山資本主義とは,資本で測れない豊かさに重きを置いた経済で,
里山などに未使用のまま存在している資源を使って地方には地方の成長モデルがあってもよいというものでしょうか。
終始,サクセスストーリーが散りばめられていて,
これを読んだ人が盲目的に里山資本主義に走っていってしまうのは危険だけれども,
新しい価値観の投げかけという位置づけでは,
これから重要となってくるであろう本だと思いました。
里山資本主義という語呂もいいし,日本人が好きな里山と言う言葉が入っているのもいいですね。
これを読んで有名なコピペを思い出しました。
メキシコの田舎町。海岸に小さなボートが停泊していた。
メキシコ人の漁師が小さな網に魚をとってきた。
その魚はなんとも生きがいい。
それを見たアメリカ人旅行者は、
「すばらしい魚だね。どれくらいの時間、漁をしていたの」と尋ねた。
すると漁師は 「そんなに長い時間じゃないよ」と答えた。
旅行者が 「もっと漁をしていたら、もっと魚が獲れたんだろうね。おしいなあ」
と言うと、漁師は、自分と自分の家族が食べるにはこれで十分だと言った。
「それじゃあ、あまった時間でいったい何をするの」と旅行者が聞くと、
漁師は、「日が高くなるまでゆっくり寝て、それから漁に出る。戻ってきたら子どもと遊んで、女房とシエスタして。
夜になったら友達と一杯やって、ギターを弾いて、歌をうたって…ああ、これでもう一日終わりだね」
すると旅行者はまじめな顔で漁師に向かってこう言った。
「ハーバード・ビジネス・スクールでMBAを取得した人間として、きみにアドバイスしよう。いいかい、きみは毎日、もっと長い時間、漁をするべきだ。それであまった魚は売る。お金が貯まったら大きな漁船を買う。 そうすると漁獲高は上がり、儲けも増える。その儲けで漁船を2隻、3隻と増やしていくんだ。やがて大漁船団ができるまでね。 そうしたら仲介人に魚を売るのはやめだ。自前の水産品加工工場を建てて、そこに魚を入れる。その頃にはきみはこのちっぽけな村を出てメキソコシティに引っ越し、ロサンゼルス、ニューヨークへと進出していくだろう。きみはマンハッタンのオフィスビルから企業の指揮をとるんだ」
漁師は尋ねた。 「そうなるまでにどれくらいかかるのかね」
「二〇年、いやおそらく二五年でそこまでいくね」
「それからどうなるの」
「それから? そのときは本当にすごいことになるよ」 と旅行者はにんまりと笑い、
「今度は株を売却して、きみは億万長者になるのさ」
「それで?」
「そうしたら引退して、海岸近くの小さな村に住んで、日が高くなるまでゆっくり寝て、日中は釣りをしたり、子どもと遊んだり、奥さんとシエスタして過ごして、夜になったら友達と一杯やって、ギターを弾いて、歌をうたって過ごすんだ。どうだい。すばらしいだろう」
どのように生きることが幸せなのか,
多くの人が考えるべき分岐点に来ているのでしょうかね。
藻谷 浩介,NHK広島取材班
KADOKAWA / 角川書店
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風の歌を聴け
本当は本屋さんで別の本を探していたのだけど,
無かったので,1〜2時間で読めそうな本を村上春樹さんのタイトルから見繕って,
衝動的に読み終えた。
冒頭のスピード感が印象的で,
始めの章のための小説のように感じた。
ストーリー重視の小説は,一度読んでしまうともう満足だし,
いい日本語のリズムで書かれた小説の一説に「この文章はいい」と感じてもしばらくするとどのページにあったか忘れてしまうので(メモを取れば良い),
一度読んだ小説を読み返すことを,私はあまりしない。
しかし,冒頭がいい文章なので,既になんどか読み返した。たいへん好きな文章である。
読み終えた後,衝動的に文を書いたのだけど,
どういう意図で書いたのか全く思い出せない。
本の余韻で考えたのだろうと思うけど,そのまま書いておく。
生きるということは,合理的な選択だけではない。
冒頭のスピード感が印象的で,
始めの章のための小説のように感じた。
ストーリー重視の小説は,一度読んでしまうともう満足だし,
いい日本語のリズムで書かれた小説の一説に「この文章はいい」と感じてもしばらくするとどのページにあったか忘れてしまうので(メモを取れば良い),
一度読んだ小説を読み返すことを,私はあまりしない。
しかし,冒頭がいい文章なので,既になんどか読み返した。たいへん好きな文章である。
読み終えた後,衝動的に文を書いたのだけど,
どういう意図で書いたのか全く思い出せない。
本の余韻で考えたのだろうと思うけど,そのまま書いておく。
生きるということは,合理的な選択だけではない。
無意味のように思える,時間や行動も,
その後のモチベーションを大きく変えることになりうるので,
計算的になりすぎず,直感に頼ることも必要なことである。
こんなに多様化して,
人口も増えすぎた世界では,
生物的に個や集団の利益を最適化するために生きるよりも,
人生の非合理さに意味合いを見いだしながら生きていく方が,
面白いかもしれない。
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